株価指数
株価指数とは、株式市場に上場されている企業の株式の値動きを一定の計算方法で総合して数値化したものです。日本では日経平均株価(東証225、日経225)と東証株価指数(TOPIX)が利用されています。
日経平均株価は東証プライム市場上場銘柄のうち日本経済新聞社が市場を代表する225銘柄の株価の平均を取った株価指数です。
東証株価指数は東証一部に上場している全ての国内企業の株式の時価総額が、基準時(1968年1月4日)の時価総額と比べてどのくらい増減したかを表す株価指数です。
金融市場・市場の機能
金融市場
金融市場は、金融商品の取引が行われ、資金の需要者と供給者が出会い、資金の調達を行う場です。これにより、資金の需要と供給が安易に調整され、多くの取引が低コストで処理でき、資金の賃借や移転が円滑に行われることが可能になります。つまり金融市場には規模の経済性があります。
金融市場の機能
金融市場は、価格の決定、リスクの移転、情報の提供の3つの機能を果たしています。金融商品の価値は市場参加者によって評価され、需要と供給に調整によって決定された価格で取引が行われます。また、取引参加者が多いためリスクを分散・分担することができ、高いリスク回避度の参加者が低いリスク回避度の参加者からリスクを引き受けるときは、プレミアムを受けることができます。さらに、金融商品の発行・転売状況や資金移動に関する情報を提供し、市場内で情報が反映され、価格や取引量が変化します。取引記録機能もあり、どのような取引が行われたかを記録に残すことができます。
金融取引の種類
金融市場は様々な金融商品やそれに関連した権利・義務の取引が行われています。取引には、相対取引と市場取引という2つの形態があります。相対取引は、特定の相手との間で個別に条件が決められて行われる取引で、貸出や保険などがその代表的な商品です。一方、市場取引は金融商品の品質や取引条件が標準化され、不特定多数の競り合いによって価格や取引量が決まる取引であり、株式や債券が代表的な商品です。このような市場取引は、市場取引型の市場を競売市場と呼びます。取引市場が標準化されていることから、金利や価格の動向に集中することができます。
資金移動 | |||
直接金融 | 間接金融 | ||
取引形態 | 相対取引型 | 企業間信用 クラウドファンディング |
貸出・信託・保険 |
市場取引型 | 株式・債券 | 投資信託 |
金融市場の分類
日本において金融市場は取引される資金の期間によって区別します。
長期金融市場(証券市場)は1年を超える資金の取引を行う市場です。一方、短期金融市場は、一年以下の資金の取引を行う市場です。
証券市場
証券市場は、長期債市場と株式市場から構成され、企業や政府、専門金融機関などが長期資金や資本性のある資金の運用・調達を行う金融市場です。債券はあらかじめ金利や元本の支払いパターンが決められており、長期債は満期までの期間が1年を超える債券のことを指します。一方、株式は収益が事前には確定しない、投資できる金融商品の1つです。
短期金融市場
短期金融市場(マネーマーケット)は期間が1年以内の金融商品を取り扱い、金融機関などが一時的な余裕資金の効率運用や不足資金の調達のために利用します。企業は商品の仕入代金などの運転資金の調達、金融機関は日々の資金ポジションの調整に活用されます。参加者が銀行、協同組織金融機関、証券会社、証券金融会社、短資会社などの金融機関に限定されるインターバンク市場と、金融機関だけでなく一般事業法人や地方公共団体なども参加するオープン市場があります。
短資会社・協同組織金融機関
短期金融市場には取引所のような集中機関がないため、資金の出し手と取り手の間に介在して、資金取引の仲介を行う金融業社である短資会社が存在します。
協同組織金融機関である信用金庫、信用組合、農業協同組合(JA)、漁業協同組合、労働金庫などは、営利を目的としない金融機関です。
インターバンク市場
インターバンク市場は金融機関同士が短期資金を融通する市場で、コール市場と手型市場から構成されています。
コール市場とは、金融機関が予想外に多くの資金が引き出され、一時的に手元の資金が不足した場合に資金を借り入れ、一時的に資金に余裕ができた場合には他の金融機関に貸し出す市場です。主要銀行の提示金利を一定のルールに基づいて平均化したものをTIBORといい、日本の金融取引の基準として利用されています。インターバンク市場に日本銀行が参加して資金の需要や供給を調整します。
オープン市場
日本の金融市場には、国庫短期証券、余剰性預金(CD)、コマーシャルペーパー(CP)、レポ等の市場があり、資金の運用や不足資金の調達が行われています。例えば、国庫短期証券は国が一時的な資金不足を補うために発行する償還期限が1年以内の割引国債であり、流動性が高く、信用力も高いため、短期金融市場の中核をなしています。また、企業や金融機関が短期的な資金調達のために発行するコマーシャルペーパー(CP)や、第三者に譲渡できる大口の定期預金である譲渡性預金(CD)、債券と資金を交互に融通する公社債貸借市場(レポ市場)もあります。これらの市場で資金を運用することで、企業や金融機関は資金を調達し、一定の利益を上げたり、経済に貢献することができます。
金融システム
金融市場では、家計、企業、政府、金融機関、海外投資家などさまざまな経済主体が多様な取引を行っています。しかし、円滑な金融取引を行うためには、通貨制度、資金の決済、証券の受渡し等の具体的な取引のルールを定める必要があります。このような金融の制度的な枠組みのことを金融制度といい、法律・規則や各種の慣行などが金融取引の前提となっています。経済主体が資金・リスクの移転・分担を行う仕組みを金融システムといい、これらの制度やシステムは、新しい技術の発展や経済構造の変化に伴い対応し、経済主体の金融に対するニーズも変化していきます。
金融システムの類型化
金融システムは公開市場型システムと金融仲介型システムの2つに分けることができます。
公開市場システムでは、不特定多数の資金提供者からなる公開市場において、標準化された金融商品の売買を通じて資金移転が行われます。当事者はお互いに一定の距離を置きつつ条件を交渉し、取引を行います。一方、金融仲介型システムでは、一定の相手と長期的な取引関係を形成し、その下で資金量や期間、金利等が決定され、資金移転が行われます。
アメリカやイギリスでは公開市場型の金融システムのウェイトが高く、日本やドイツでは金融仲介型システムのウェイトが高いとされていますが、近年はグローバル化により金融システムが平準化していると言われています。