はじめに
企業が事業拡大のために資金を調達する方法として、証券市場があります。私たちが思っている以上に日々、企業は株式や債権を証券市場に発行しています。投資家がこれらを購入することで資金を企業に提供することができます。また投資家も保有する株式や債権を証券市場に自由に売ることができ、整備された証券市場によって資金が必要なところに行き渡り、経済が拡大し、私たちは生活を豊かに送ることができるのです。
企業の成長
企業が今より大きく成長しようとするには、様々な戦略を用いる必要があります。自社製品やサービスを改善し、市場での競争力を高めることが大切です。また新製品の開発や新しいビジネス領域への進出も成長につながります。しかし、これらの戦略を実行するには、資金を調達する必要があります。
直接金融と間接金融
企業が資金を調達する方法は、金融機関を通じるもの(直接金融)と証券市場を通じるもの(間接金融)の大きく二つに分けられます。
直接金融
企業が直接資金を調達する方法には、株式の発行によるエクイティファイナンスと、債権の発行によるデッドファイナンスがあります。
エクイティファイナンスでは、投資家は株式を購入することで企業のオーナーになります。デッドファイナンスでは投資家は借金の出資者となり、あらかじめ資金を返済(償還)する期間を定め、期日に出資者に返済することを約束した証券である債権を購入し、資金を提供します。
間接金融
銀行、信用金庫、信用組合などの金融機関は、預金者受け取ったお金を企業に貸し出す形で資金を提供しています。企業は金融機関に利息を支払う代わりに、その資金を使うことができます。その企業に貸した資金が回収できなくなった場合の損失は金融機関が負います。預金者に責任はないのでいつでも預金の引き出しや金利の支払いを要求することができます。
投資家は株式・債権を証券会社の仲介で購入しますが、投資先が倒産しても証券会社は損失の責任を負うことはなく、資金の最終的貸し手(投資家)がリスクを負います。直接金融は成果が出るまで時間がかかるような長期プロジェクトなどの場合に有効です。間接金融で調達した資金は短期の資金が必要なときに有効です。
株式投資の効果
投資家は株式を購入することで企業に資金を提供し、それによって利益の一部である配当金(インカムゲイン)を受け取ることができました。そして、必要に応じて株式市場で株を売却して資金を回収できます。もし、株価が購入時よりも高くなっていた場合は、売却差益(キャピタルゲイン)も得ることができます。ただし株価下落や企業の経営状況によっては損失が発生する可能性もあります。
株式投資の効果=インカムゲイン+キャピタルゲイン
株式の上場
「上場」は企業が自己の株式を証券取引所で取引可能にすることを指します。上場するには基準として発行株式数や株主数、利益額などがあり、経営状態や情報開示の仕方なども審査されます。また上場後も純資産額や経常利益額、株主数など厳しい基準が課せられます。しかし、これらの条件を充たし上場に成功すると、企業の信用力が高まり、経営だけでなく事業展開や人材採用において大きなメリットがあります。
株価の指数
株価 | ||
金利 | 上昇 | 下落 |
低下 | 上昇 | |
外国為替 | 円安 | 輸出企業上昇 |
円高 | 輸入企業上昇 | |
業績 | 好調 | 上昇 |
不調 | 下落 |