新規公開(IPO)
新規公開(IPO)は、企業が新たに証券取引所に上場する際に、不特定多数の投資家向けに株式を発行することです。
発行手法は直接募集と間接募集があり、ほとんどは間接募集が行われています。募集方式には公募と私募がありますが、公募では原則として間接募集が行われます。
証券会社は、新規公開において、発行会社に対してアドバイスを行い、投資家に販売し、事務手続きを代行し、売れ残りのリスクを負担する役割を担います。残額引受契約と総額引受契約があり、発行額が大きい場合、複数の証券会社が集まって引受シンジケートを組織することがあります。
公開時の株価は、投資家の需要を調べた後、引受証券会社(引受主幹事)が株価を決めるブックビルディング方式が主流です。
株価は良くも悪くもアウトロック状態にあり、株式を配分された投資家が公開初日に市場を売り抜けることで、高いリターンを得ると言われています。
組織的な株価操作には注意が必要です。
新株発行(増資)
増資には有償増資と無償増資の2種類の方法があります。有償増資は、既存株主を含む投資家からの資金払込に対して株式を発行する方式で、その時点の株価(時価)を基準とします。一方、無償増資は、企業の資本構成の是正や株主への利益還元を目的に、資本準備金や利益準備金を資本金に組み込んで新株を発行し、株主に割り当てるもので、株主に資金払込の負担は生じません。
有償増資
有償増資は、企業が資金を調達するために新たな株式を発行する方法です。この際、新株の引受権が特定の投資家に与えられますが、その対象には以下の4つがあります。
1つ目は公募増資で、不特定多数の投資家に新株引受権を与える方法です。
2つ目は第三者割当増資で、株主以外の取引先や自社の役員など関係者に新株引受権を与えます。これは、不振企業の支援や、取引先との関係を強化するため、あるいは敵対的買収防衛策として使われます。
3つ目は株主割当増資で、既存の株主に対して新株引受権を持株数に応じて与える方法です。しかし、現在はあまり発行されていません。
4つ目は新株予約権の行使で、株式を一定の条件で取得するための権利である新株予約権を付与された新株予約権付株を、その権利の行使により購入する方法です。新株引受権自体は、その企業の成長に応じて株式価値が上がることが期待されており、投資家にとって魅力的な投資手段の1つとなっています。
しかし、有償増資には、既存株主が保有する株式の希薄化(発行済株式数の増加)や、新株引受権の価格が過大評価されるリスクがあるため、注意が必要です。
無償増資
無償増資は、資本準備金や利益準備金を資本金に組み入れて新株を発行して株主に割り当てることで、株主には資金払込の負担がなく、企業の資本構成の是正や株主への利益還元を目的としています。一方、成長性の高い企業は利益が増加し、資本が増加するため株価が上昇することがあります。株価が上昇しすぎると、小口投資家が参加できなくなり、株式の流動性が減退することがあります。そのため、株式分割により、発行株数を増加させて株価を低下させ、株式の取引しやすさを改善することができます。